仕事が増えると、「人が足りないから一人採ろう」と考えます。私も以前は、忙しさをそのまま採用人数に置き換えそうになることがありました。
ただ、Beekleの仕事を見直すと、人が必要に見える業務の中に、廃止できる作業、自動化できる作業、月に数回だけ専門家へ頼めばよい作業、継続して社内に残すべき役割が混ざっていました。
現在は、営業、要件整理、設計、開発、経理といった職種名から採用を考えるのではなく、実際の仕事を先に分けています。
求人票を書くのは最後です。最初に、社長や社員が今やっている仕事のうち、そもそも人に任せる必要があるものを確認します。
人数を増やしても、社長への確認が増えることがあります
仕事の目的、判断範囲、完了条件を決めずに人を採ると、新しい人に作業は渡せても、優先順位と例外判断は社長に残ります。
たとえば、「営業を手伝う人」を採っても、誰に連絡するか、どこまで提案するか、いくらまで値引きするか、どの案件を優先するかを毎回社長が決めれば、社長の会議と確認は増えます。
必要なのは人数ではなく、誰のどの仕事を外し、何を一人で完了できれば成果なのかです。
新しい業務日報を作らず、すでに残っている記録を使います
役割を決めるために、社員に1か月の細かな業務日報を新しく書かせる必要はありません。Beekleでは、社内チャット、予定表、共有資料、顧客・案件の管理、PM on Railsの作業履歴に、実際の仕事がかなり残っています。
そこから、次の仕事を集めます。
- 同じ質問が何度も来た仕事
- 担当者や期限がなく止まった仕事
- 社長や上司が何度も直した仕事
- 特定の人だけが判断できる仕事
- 入力、転記、集計、催促に時間を使っていた仕事
- 外部の専門家に繰り返し依頼した仕事
生成AIには、会話や作業名を似た業務へまとめるところまで任せます。分類が現場の実態と合っているか、機密情報を扱ってよいか、仕事を本当に廃止できるかは人が確認します。
仕事を4つに分けると、採用する役割が小さくなります
やめる
誰も使っていない報告、同じ内容の二重入力、目的がなく残っている会議は、担当者を増やす前に止めます。
自動化する
期限通知、定型集計、商談後の記録候補、過去資料の検索、領収書の照合など、決めた規則で処理できる部分を仕組みに移します。
外へ頼む
法務、税務、デザイン、特定技術のように、常時必要ではない専門性は、一人の社員にまとめず、必要な時に専門家と組みます。
採用する
繰り返し発生し、社内に知識を蓄積する価値があり、継続して責任を持つ人が必要な仕事を、採用する役割として残します。
この順番で見ると、「一人分の仕事」に見えたものが、複数の小さな仕事に分かれます。採用すべき役割と、採用してはいけない雑務の束を区別できます。
この内容について、Beekleに相談してみませんか? 何を作るべきか、どこまで費用をかけるべきか、発注前の不安を無料で整理します。求人票は、残った仕事から作ります
採用すると決めたら、職種名より先に次を定義します。
- この人が入ると、誰のどの仕事が減るか
- 三か月後に何を一人で完了できればよいか
- 時間の大半を使う仕事は何か
- 本人が決めてよい範囲はどこか
- どの条件で上司や社長に相談するか
- 入社時に必要な経験と、入社後に学べること
- どんな働き方を求める人には向かないか
求人票、面接で確認すること、入社後三か月の目標を、同じ役割定義から作ります。求人で説明した仕事と、入社後に任せる仕事の差を小さくするためです。
Beekleでは、社長の設計判断と実装を分けています
私は顧客との会話、課題整理、要件、設計の確認を担当することが多い一方、すべての実装を自分で行うわけではありません。PM on Railsで要求と確認条件を整理し、開発メンバーや生成AIに実装を引き継いでいます。
単発の専門業務は外部の専門家と組み、社内に残すべき判断と、外から調達できる専門性を分けます。また、担当者や期限がない仕事を異常として出し、社長が人に聞き回る前に止まりを見つけます。
これは、人を採らない方がよいという主張ではありません。人を増やす前に、人に任せる価値がない仕事を減らし、採用した人が成果に集中できる状態を作るという順番です。
自社の採用では、定着まで比べた数字をまだ出していません
この方法は、自社の仕事を整理し、採用要件を具体化するために実際に使っています。ただし、Beekleがこの方法で多数を採用し、長期間の定着率や成果を比較した数字は、まだ自社では出していません。
一方で、採用と配置の判断そのものを扱うシステムは、実際に作って納めています。面接担当者の経験と紙の診断票に依存していた判断を、HEXACO-100の6次元24要素によるスコアリングとして実装し、個人レポート、職種適合、チーム相性、リスク分析までを返すHR AIエージェントにしました。逆転項目やファセット集計の採点ロジックから実装し、LLMの出力はJSON Schemaで固定しているので、面接官が変わっても評価の観点がぶれません。招待から診断、PDF出力まで業務フローに載せています。役割を言葉で定義する話と、適性を数字で見る話は別ですが、採用の現場で判断に使える形にする、という点では同じ考え方です。
今後は、採用前後で、社長と上司の補助時間、本人が一人で完了できた仕事、相談回数、三か月後の成果、本人の負荷を確認します。役割をきれいに書けたかではなく、実際に社長の時間と本人の迷いが減ったかで評価します。
求人の前に、増やさなくてよい仕事を探します
求人を出しても応募が来ない時、待遇、採用経路、仕事内容の見せ方を見直す必要があります。しかし、会社側が任せる仕事を説明できなければ、候補者も自分に合うか判断できません。
実際の仕事から、やめる、自動化する、外へ頼む、採用するを分ける。求人票は、最後に残った役割から書く。
少人数の中核メンバー、外部専門家、生成AIを組み合わせて会社を運営しているBeekleでは、この順番で採用を考えています。
社長の時間を作るほかの取り組みは、社長の時間を作る経営DXにまとめています。
Beekleにご相談ください Beekleでは、AI活用や業務システム開発について、作るものの整理、費用感、進め方まで一緒に確認します。まだ曖昧な段階でも、最初に何を決めればよいかから相談できます。