経営課題

HEXACOを自分の仕事設計に使ってみた。性格を直すより、苦手な作業を消す

現在の業務を確認し、重複や待ち時間を見直して目指す業務を決める図
まず現在の業務を確認し、重複や待ち時間を見直します。目指す業務を決めてから、システムに任せる範囲を考えます。

私は、難しいシステムの設計や新しい技術の調査なら長時間続けられます。一方、顧客・案件の入力、経理の定型作業、同じ形式の確認は後回しになりやすい。

単に「得意不得意がある」で終えると、同じ事故が続きます。そこで、自分の性格検査、情報の扱いやすさ、実際の仕事記録を重ね、どこで仕事が止まりやすいかを整理しました。

使った材料の一つが、性格を六つの大きな方向から見るHEXACOです。

性格検査で人の価値を決めるのではなく、本人に無理をさせなくても仕事が回る条件を見つけるために使いました。

私の結果は、「勤勉なのに管理が苦手」を同時に示していました

私の自己回答では、誠実性の中でも勤勉さは四・七五と高く、整理整頓は一・五〇、完璧主義は一・〇〇でした。経験への開放性では、創造性と型破りがともに五・〇〇でした。

これは、私が優れている、あるいは問題があるという評価ではありません。複雑で新しい問題には強く動く一方、決まった形式を毎日維持する仕事には摩擦が起きるかもしれない、という仮説です。

実際の記録でも、要件整理や開発設計は進む一方、顧客・案件の次の行動日や担当者が未入力になっていた時期がありました。経理や定期管理も、注意力だけで続けると止まりやすい。

検査結果だけではなく、仕事で起きた事実と一致する部分を確認することで、初めて仕事設計の材料になります。

検査結果は、仕事上の仮説に言い換えます

点数をそのまま「営業向き」「管理職向き」と判定することはしません。次のように、仕事の条件に言い換えます。

観察した傾向

仕事上の仮説

確認する記録

勤勉さが高い

目的と意味が明確な仕事は長く続けやすい

集中時間、完了率、成果

整理整頓が低い

独立した入力やファイル整理は止まりやすい

未入力、重複、探す時間

創造性・型破りが高い

新しい解法を作る仕事では力を出しやすい

提案数、試作、改善速度

定型維持の負荷が高い

同じ確認を毎日続けるより、例外判断へ寄せた方がよい

期限超過、催促、再確認

仮説と現実が違えば、検査の読み方を直します。人間を点数に合わせるのではなく、実際の仕事を優先します。

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自分を鍛える前に、入力が発生する場所を変えました

私の場合、「毎日きちんと顧客管理に入力する」と決めるだけでは十分ではありませんでした。そこで、普段使っているChatGPTから顧客・案件を読み書きできるBeekle CRMを作りました。

商談や相談の内容を会話で伝え、顧客、案件段階、次の行動、期限の候補を作ります。人間は確認して確定します。期限が過ぎた案件や、担当者がいない案件だけを知らせます。

経理でも、領収書やカード明細を手で写すより、既製サービスや自動読取を使い、未来の入出金予定だけを顧客・案件とつなぐ設計にしています。

必要な記録をなくすのではなく、仕事の後にもう一度書く工程を減らしました。

複雑な判断は残し、繰り返し確認だけを仕組みに任せました

自動化しやすいのは、性格に関係なく誰にとっても負担になりやすい仕事です。

  • すでにある情報の転記
  • 期限の催促
  • 同じ形式の集計
  • 過去資料の探索
  • 正常な案件を含む全件確認

一方、顧客の課題をどう定義するか、どの商品を止めるか、重要な案件で何を優先するかは、会社の状況と責任を伴う判断です。これらは、検査結果を理由に自動化することはしません。

私は、すべてを自分で正確に入力するより、仕組みが示した例外や選択肢を見て判断することに時間を使うようにしています。

社員へ使う場合は、本人の同意と実際の仕事が必要です

HEXACOを採用の足切りに使うことはしていません。一回の自己回答だけで、能力、病気、発達特性、誠実さを断定することもできません。

社員の仕事設計に使う場合は、本人に目的を説明し、結果の共有範囲を決め、実際の仕事記録と本人の感想を合わせます。仕事の側に問題があるのに、性格のせいにしないことが重要です。

たとえば、誰が担当しても止まる入力作業なら、適性の高い人を探す前に、自動化や廃止を検討します。人を変えるより、仕事を変えた方が早い場合があります。

効果は、本人の評価ではなく仕事の変化で見ます

仕事の渡し方を変えた後は、次を見ます。

  • 定型入力に使った時間
  • 期限超過と未入力の件数
  • 上司や社長への相談回数
  • 本人だけで完了できた仕事の割合
  • 成果と本人の負荷
  • 周囲が補った時間

私自身については、顧客・案件管理や日次確認を会話から行える範囲を増やし、各画面を開いて集計する作業を減らしています。ただし、HEXACOを使ったことで経営成果が上がった、と因果まで証明できたわけではありません。

検査は、仕事を変える仮説を作る道具です。変えた後の記録で、その仮説が合っていたかを確認します。

性格の弱点を直すより、弱点が事故にならない会社を作ります

経営者がすべての仕事に向く必要はありません。問題は、苦手な仕事が会社の重要な管理に直結し、本人が忘れた時に会社も止まることです。

性格と実際の仕事を重ね、止まりやすい条件を見つける。不要な仕事は消し、定型作業は仕組みに任せ、本人は強みが必要な判断に時間を使う。

私はHEXACOを、自分や社員を評価するためではなく、本人の強みが生きる形に会社の仕事を変えるために使っています。

社長の時間を作るほかの取り組みは、社長の時間を作る経営DXにまとめています。

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参考資料

  • HEXACO公式サイト
  • Wakabayashi(2014)The psychometric properties of the HEXACO Personality Inventory in a Japanese sample
  • Kristof-Brown, Zimmerman & Johnson(2005)Consequences of Individuals' Fit at Work

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